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カサーラヴェルケカールサッセゴウシガイシャ



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 作家(1701)

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うらないし

占い師

作家名:ジャン=バティスト・パテル
制作年:18世紀前半
技 法:油彩 キャンバス
ヴァランシェンヌ出身の画家パテルは同郷の先輩ヴァトーの弟子で、その様式の模倣者であった。師の画法を、ある意味で商業ベースに乗せ、パリで一応の成功をおさめた。彼の代表作はロンドンのウォーレス・コレクションにある。師ヴァトーは、18世紀初頭にフランス絵画において大流行したフェート・ギャラント(雅宴画、フェート・シャンペートル:田園の宴ともいう)の分野の最も著名な画家であった。この種の主題の起源は、中世の宮廷美術の「愛の園」の主題が、ティツィアーノの《田園の奏楽》(ルーヴル美術館)に代表されるヴェネツィア的な牧歌的田園画へと姿を変えて受け継がれたものである。そして、プッサンらの絵画に見られるアカデミックな傾向から、ヴェネツィア派の芸術のもつ解放的で感覚的な傾向への趣味の変化に関連してこの流行は生まれた。ヴァトーの主題は、ほとんどが庭園を背景にした身なりのよい人々の遊びの情景で、慎しみと、そこはかとないメランコリーが漂っており、起源となった中世やルネサンスのこの種の絵画と情感の上で結び付きをもつが、形態の上での表現は全く異なっている。ヴァトーの絵画には、18世紀初期のフランス絵画に固有の上質なロココ趣味の洗練された感性と画術が満ち溢れているのである。パテルの絵画は、こうしたヴァトーの様式を模倣したものであったが、残念ながら師の作品に見られる神秘的で魅惑的な輝きには乏しく、新鮮味に欠けた画風に留まっている。ここでは、森を拓いた庭の一角で大きな柱の前に集い、恋の語らいに興じる若い男女のグループが描かれ、ピンクと黄色のサテンのドレスを着た娘が占い師に手相を見てもらっている。右手遠景には一群の男女が憩い、塔のある家も見える。この構図は師ヴァトーの《生の魅惑》(1718年頃、ウォーレス・コレクション)を想起させるが、人物の配置や背景の描写には舞台とその書き割りのような平板な印象も否めない。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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バウハウスとは?【 美術用語 】

1920年代のドイツで近代デザインの中心地となった建築と応用美術のための学校。デザインと工業技術の間に橋をかける重要な役割をはたした。1933年にナチスの圧力で解散してから教授陣と学生が各地に移住したため、バウハウスの理念は多くの国々に広められ、1930年代と40年代における近代主義のシンボルともいえる存在となった。バウハウスの創設は、1919年に、旧ヴァイマール美術アカデミーとヴァイマール美術工芸学校がグロピウスによりひとつにまとめられたことに始まる。グロピウスの最初の思想は、すべてを包含する近代的で構成的な芸術を実現して、モニュメンタルな要素と装飾的な要素の分離をなくそうとするものであったが、さらに1923年には、工業的大量生産用のデザインを行う工芸家が重要であるとした。このため、バウハウスは産業界と密接に関係を持ち、多くの製品を生み出した。その特徴は非個人的で幾何学的で厳格なことであり、むだを省き素材を研究し、洗練された形を持っており、ヨーロッパの建築・応用美術に大きな影響を与えた。

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