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 作家(1701)

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れべっかのゆうかい うじぇーぬどらくろわのげんがによる

レベッカの誘拐[ウジェーヌ・ドラクロワの原画による]

作家名:シャルル・ジルー
制作年:19世紀彫版
技 法:エッチングビュラン
ドラクロワは、ここではイギリス中世の情景の一つを描いている。中世の情景といっても、これはウォルター・スコットの1827年に出版された小説『イバノエ』の中で再現され叙述され直したものである。フロン・ド・ブウフ(1066年にイギリスを征服したノルマン人の子孫)の城から袋をつるすこの物語は、非常に堅固な城壁と塔を描き出している。火事の時にこの塔は、煙に包まれ、聖堂騎士階級をあらわす赤十字の飾りをつけた白い服を着たボワジルベールは、美しいレベッカ、ヨークの町に住む商人イサック老人の娘を奪ってゆく。この心をかき乱すような粗暴な情景は、若くて美しいユダヤの女性に対する聖堂騎士の野性的な情熱を物語っている。この銅版画ドラクロワの絵から制作されたもので、ドラクロワのサインと年記1858年とがある。1902年にトミー・チェリーの遺贈物としてルーヴル美術館におさめられた。ルーヴル美術館の銅版彫刻室に保存されていた原版を使ってジルーが彫ったのはそれ以後の事である。ドラクロワは、同時代の多くの芸術家のように、しばしば、彼の作品構成の題材を中世の歴史や、あるいは英文学(シェークスピア、バイロン、W.スコット等)から選んだ。それがロマン主義絵画にとっての主要な源泉となっていたのである。版画家はここでは、次第に感情が響き渡ってくるようなドラクロワの着色方法や断続的なタッチのテクニックを非常に忠実に表現している。またこの技法こそが、彼の最終期の作品の中で、ドラクロワをして近代的探求法の先駆者たらしめたのである。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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アクアチントとは?【 美術用語 】

版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内の一つ。まず銅板に粉末状のグラウンド(防蝕剤)を粗くまき熱して付着させ、その上に液状のグラウンドで描画する。これを酸腐蝕させると、描画部は残り、その背景には網目状の防蝕層を通過した酸によって徴細な点が刻まれる。グラウンドを除去し凹部にインキをつめプレス機で紙に刷り上げると、描画部は白く、背景には砂目状の徴妙な黒点が表われる。普通白く残したい部分から順に描画を重ね腐蝕を繰り返すので、描かれなかった部分はその度に腐蝕が進み、それを印刷すれば、砂目状の黒い調子が段階的に深まっていくことになる。アクアチントの語源は「水」であり、水彩画のように微妙な濃淡を表現できるという特徴を示している。17世紀前半にオランダで発明されたとされており、18世紀にフランス人ル・プランスによって確立された。同じ腐蝕凹版であるエッチングと併用されることも多い。

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