ぐるぐるアートワード
データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。
ぐるぐるもくじ


灰色の光景



廃船



破壊するべきオブジェ/破壊できないオブジェ



白衣を纏える



薄雪越冬



白熱灯「エレクトリシーヌ」−赤と白



博物誌



白龍図







箱根の秋



箱は空にかえってゆく











旗のある風景



八幡太郎之図







鳩のように







花飾り



花園


<前 (1/18ページ) 次>

●もくじのさくいん

    

    

記事カテゴリ

 すべて

 作家(1701)

 作品(1851)

 美術用語(163)

 その他(1)


みんしゅうをみちびくじゆうのめがみ うじぇーぬどらくろわのげんがによる

民衆を導く自由の女神[ウジェーヌ・ドラクロワの原画による]

作家名:ルイ=アドルフ・サルモン
制作年:19世紀彫版
技 法:エッチング
1380年7月27日、28日、29日、パリ民衆の反乱はシャルル10世を追放し、王は亡命した。3日間のこの反乱、つまり「栄光の3日間」はもともと、シャルル10世と当時の閣僚たちによる、1789年以前のような絶対君主制にもどそうとする企てであった。シャルル10世の三決議はこの内乱の原点であった。反動的大臣の任命、議会の解散、七月勅令の発行の三決議で、つまりは、王の決定だけで公共生活を規制する方策の施工であった。ドラクロワは「栄光の3日間」の証人であった。その数日後に、甥に書き送った手紙には「我々は三日間、至る所で戦いが行われていたので、機関銃の発砲、銃撃のさなかにいたのでした・・・」とあり、軍部退役の弟に宛てた手紙には「近代的な題材を企画しました。それはバリケードです。そして、もし私が祖国のために勝利をもたらす事ができなかったならば、少なくとも、私は祖国のために描きましょう。そう考えると私の気分も快適になりました。」とある。ギリシアを称賛して、一枚の絵のためにさまざまな研究をしながら、ドラクロワは着想し、しかも非常にすみやかにこの作品を実現した。この作品は1831年のサロンに出品されたもので、今日ルーブル美術館に保存されている。「バリケード」はパリのノートルダム寺院の塔の右側がそびえてみえる場所に築かれた。死傷者が前景を形成し、そこから自由の女神の姿が現れる。比喩をもって理想化された絵を描くことによって、彼のリアリズムは完全にうち破られた。露わに出された胸もまた、勝利の表現の描写を想起させるのにふさわしい。自由の女神の近くには拳銃を持った一人の若者が立っている。黒いベレー帽をかぶり、髪型から見て学生らしく、ちょうどヴィクトル・ユゴーの作品中の人物ガブロッシュのようである。彼は一大事件に身を投じた永遠の若者のシンボルである。反対側には二人の男性、一人はシルクハットをかぶり、もう一人はベレー帽をかぶっているが、二人ともパリ民衆の社会階級層を思いおこさせる象徴である。彼らパリ民衆が、王政復古制度をくつがえしたのであった。自由の女神が振り回す三色旗は、その頃からフランスの国旗となった。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
  いまクリックまたは、検索したキーワードの解説

写実主義とは?【 美術用語 】

客観的現実を尊重して、それをあるがままに描写しようとする芸術制作の態度や方法を指す。描写する対象を様式化、歪曲化(デフォルマシヨン)、抽象化、理想化することなく、対象の特徴を正確に再現しようとする。しかし客観的現実の本質的な特徴を捉えようとする志向は、外面的な細部描写を排除して理想化が入り込む余地を残しており、実際にはかなり幅の広い表現方法が含まれる。狭義には1840年代に、クールベ、ジャン・フランソワ・ミレードーミエらによって興され、50年代に頂点に達したフランスの美術運動を指す。これは、近代市民社会の成立を背景として表われ、新古典主義ロマン主義のように歴史やアレゴリーを主題とせず、クールベが庶民の生活や労働を描いたように、美醜を問わず真の姿を表現しようとするものであった。その後のリアリズムを名のる主な運動としては、ソビエト連邦など社会主義国で展開した社会主義リアリズムや、1960年代から70年代にかけて欧米に現われたスーパーリアリズムなどがある。

  画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。

キーワード検索




けんさくけっか

キーワード

写実主義

キーワードを含む記事
20件見つかりました。

  印象主義

  雄鶏

  アンリ=エドモン・クロス

  ギュスターヴ・クールベ

  自然主義

  島村俊明

  写実主義

  三味線奏者

  象徴主義

  ジ・エイト

  ゼリー・クールベの肖像

  アンドレ・ドラン

  長沼守敬

  林重義

  バルビゾン派

  チャールズ・W.バートレット

  前田寛治

  モンマルトルのノルヴァン通り

  浴女

  リアリズム


<前   次>

徳島県立近代美術館2006