「糊による貼付け」の意味。キュビィスムの
パピエ・コレ(貼紙)の発展したもので、もともと相応関係のない別々の映像を最初の目的とはまったく別のやり方で結びつけることによって、異様な美しさやユーモア、非現実的な要素を絵画にもちこんだ。
マックス・エルンストをはじめとする
シュルレアリスムの作家たちが1920年代からよく利用し、よく知られる作品として
シュヴィッタースの〈メルツ〉や
エルンストの〈百頭女〉〈慈善週間〉などが制作された。その後、この手法は、現実の多様性を画面に取り込むための有効な手段の一つとして、
ネオ・ダダや
ポップ・アートなど20世紀の美術が広く用いている。
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ネオ・ダダとは?【 美術用語 】
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1950年代の末、ニューヨークにおいて、
ラウシェンバーグと
ジャスパー・ジョーンズが、あいついで個展を開いた。当時の美術の世界は、
抽象表現主義が全盛をきわめていたが、その中で彼らは、日常の具体的、卑俗的な、すぐそれと知れるようなものを画面に登場させ、大胆な画風を示した。
ラウシェンバーグは、絵画に布や写真、印刷物などを加えて、雑多なイメージを画面に集めてくるコンバイン・ペインティングを、
ジョーンズは国旗や標的などを画面にクローズアップすることで、反芸術の新しい表現スタイルをうちだした。これらの創作活動を、芸術に対する挑戦的な姿勢とみなし、「
ダダの再来」という意味で
ジャーナ
リストが名付けたものが「
ネオ・ダダ」である。日本も1960年の読売
アンデパンダン展に、
ネオ・ダダ・オルガナイザーズというグループが出品するなど、影響を受けている。
ネオ・ダダは
抽象表現主義につづき、後の
ポップ・アートの出現をまつことになる。
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