![]() |
|||||||||||
データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。 | |||||||||||
![]() ![]()
|
はとのように![]() 鳩のように ![]()
エルンストは繰り返し鳥を描いているが、この作品もその一点である。人間の上半身を描いた輪郭の中に、鳥が二羽配置され、人間の目と鼻を形づくっている。しかし鳩(はと)の戯画のような印象とはうらはらに、画面は不気味ささえ与える。全面に深い朱と紫が塗り込められ、絵の具の下から板の木目が浮き出て、濃淡の襞(ひだ)をつくっている。あたかも心の奥底の不安をかきたてるかのようだ。1920年代、エルンストはアンドレ・ブルトンらと共に、シュールレアリスムと呼ばれる芸術運動を起こした。近代化に伴う合理主義に反逆し、精神の異常や夢、幻覚など、意識下の非合理的な領域に着目することで、精神と人間自体の解放を目指したのである。この作品を私達が不気味と感じるのは、おそらく日常意識しない深層心理を垣間見させられるからだろう。その意味で、典型的なシュールレアリスムの作品であり、エルンストらしい作品だと言えよう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年10月11日掲載)
![]()
カテゴリー:作品
![]() ![]() ![]() ダダとは?【 美術用語 】 ![]() 第一次大戦中、ヨーロッパおよびアメリカに起った運動。1916年、チューリヒのキャバレ・ヴォルテールで、トリスタン・ツァラ、ジャン・アルプらが、辞典の一頁から偶然に拾った言葉「ダダ」を用いた。大戦の不安のなかで、合理主義文明とその社会体制を否定し、破壊しようという運動で、おびただしいデモンストレーションとスキャンダルを通じて「なにも意味しない」虚無のダダを唱えた。この否定の精神は、ドイツではヒュルゼンベック、グロスらにより政治的色彩を濃くした。またニューヨークでマルセル・デュシャン、ピカビアらが写真のコラージュや、レティ・メイドのオブジェを使った時期をニューヨーク・ダダと呼ぶが、デュシャンの芸術そのものへの否定精神(反芸術)は、第二次大戦後の若い作家に受け継がれた。さらに1919年にケルンでエルンスト、アルプらが起したダダ運動は、偶然性や意識下の世界を通じて、のちにシュルレアリスムや抽象表現主義への道をひらいた。 ![]() ![]() ![]() |
||||||||||
![]() |