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じんぶつ

人物

作家名:パブロ・ピカソ
制作年:1927年
技 法:エッチング 紙
画面全体に縦横無尽に線が走り回っているが、ここには人物が表現されている。タイトルの別称は〈低いテーブルのある、ソファの上の二人の裸婦〉。画面右上に一人の人物の小さな頭がある。もう一人の人物の頭は左上に大胆にデフォルメされて描かれている。その他の人体の部分については、どれがどの人物のものかは明確ではなく、入り組んでいる。また、体のプロポーションも大幅に変更されており、特に目立つのが、頭の小ささにくらべて足が異様に大きいという点である。また、画面左、上、右下等に模様が刻まれているが、これは二人の裸婦が座っているソファを表すものと思われる。特に曲線の多用が目につくが、それはキュビスムの中でも自然主義的な物の形態が復活していた1910年代後半から20年代初頭の総合的キュビスムのうちで、後半の時期にも見られる傾向である。またこの時期は新古典主義の時期とも並行するが、そのなかに見られる丸みを帯びたモニュメンタルな人体表現にも曲線の使用の要素が見て取れる。それと同時に、極端にデフォルメされた怪物のような、あるいは病的にも見える痙攣するような人体表現が印象的である。1920年代半ば以降に決定的な展開を見せた、ピカソの作風変化をよく表している。銅版画の技法に習熟し、エッチングの自在で柔らかい線の効果が十分に発揮された、シュルレアリスムとの関連を思わせる、40代半ばのピカソ円熟期の作品である。(「変貌するひとのすがた ピカソの版画」(コレクション+αで楽しむシリーズ) 2006年)


カテゴリー:作品
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キュビズムとは?【 美術用語 】

1907年から08年頃ピカソブラックによって始められた芸術運動。立体派と訳される。それまでの絵画の「視覚のリアリズム」に対して「概念のリアリズム」を主張し、三次元的現実社会の概念を二次元的に翻訳するとともに、絵画を一つの美的存在として結実させることを目的とした。セザンヌキュビズム、分析的キュビズム、総合的キュビズムの各段階に区分される。ルネッサンス以来の写実的伝統から絵画を解放したものとして、20世紀の最も重要な芸術運動の一つと目される。ピカソの〈アヴィニョンの女たち〉がその最初の作品といわれるが、1908年にマチスがブラックの風景画を「キューブ(立体派)」の言葉をもって評したのが名称の起りとなる。代表的な作家としてピカソブラックのほかに、レジェグリス、ヴィヨン、デュシャン、ドローネ、ピカビア、クプカなどの画家があげられる。ほかにアーキペンコアンリ・ローランスなどの彫刻家も参加している。

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