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とりにこられなかったしょうぞうがAたにぐちただよしとのがっさく

取りに来られなかった肖像画A 谷口董美との合作

作家名:山下菊二
制作年:1969年
技 法:油彩 毛 コラージュ
1969年に開いた「弔い展」に作品した一点です。この展覧会には、開催の五年前に亡くなった版画家谷口薫美の遺作と山下の近作が展示されました。谷口は結婚して性が変わっていましたが、山下の実兄。兄を追悼するために、山下が開いたのです。ところでシュールレアリスムの技法の一つに、コラージュ(張り絵)と呼ばれる技法があります。思いがけない物と組み合わせることで、全く新しいイメージを作り出そうとするもので、 この作品にもその技法が用いられています。人物の部分は、元々は谷口が描いた戦没兵士の肖像画です。肖像画から切りとった人物の部分を台紙に張り、周囲に山下が新しい絵を描き加えています。第二次大戦中、谷口は戦没兵士の家族の依頼で肖像画を描きましたが、戦後になっても引き取り手が現れないものがありました。谷口の遺品にまぎれていたその一枚のコラージュに使ったのです。若者の姿は強靭(じん)な決意を秘め、しっかりと正面を見据えています。しかし、背景に描き込まれた深紅の太陽には、海軍旗のような勇ましさはなく、むしろ沈痛な気分を漂わせています。鳥のような不思議な生物と手前に添えられた花は、不安な印象をかきたてます。谷口が描いた肖像は、国連をかけて戦場に散っていった、名誉の戦死とたたえられた若者の姿です。しかし山下の手が加わると、当時のそのような画一的な見方は取り払われ、一人の若者の死を悼む痛惜の念だけが画面に漂っています。山下のコラージュによって、谷口の肖像画は、全く新しいイメージを与えられてといえるでしょう。このころの山下は反戦をテーマとした作品を描いていますが、そのシリーズに連なる一点といえます。


カテゴリー:作品
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リストとは?【 作家名 】

1885年から1889年、ウィーン美術アカデミーでクリスティアン・グリーペンケールに師事、その後、ミュンヒェン美術アカデミーでルートヴィッヒ・フォン・レフツおよびパウル・ヘッカーに師事。さらに、パリで学ぶ。1897年、ウィーン分離派の創設に参加。1898年、分離派の展覧会およびカタログ制作の参加。「ヴェル・サクルム」に多数の作品を発表、寄稿。同誌の編集責任者も務める。クリムトグループと共に分離派を脱退した後、1908年から1909年、クンストシャウに参加。

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