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TARUPHON

TARUPHON

作家名:藤本由紀夫
制作年:1988年
技 法:ミクストメディア
藤本由紀夫は、音、聴覚を中心に、視覚や臭覚など、我々の五感に訴えかけるアーティストである。その作品は、自らが命名した「サウンドオブジェ」と呼ばれている。音を使った作品を指すのには、「サウンドスカルプチャー」(音響彫刻)という用語もあるが、藤本の場合、デュシャンに代表されるレディメイド・オブジェのように既製品を借用することが多く、オブジェという言葉が用いられている。〈TARUPHON〉は、木製ケースをあけると穴が一つ空いており、棒が一本ついている。その棒を穴に入れると、突然「コンタッククーペ、コンタッククーペ、ブルルルルルルルウン」という叫び声と「ハハハハ」という若い女の笑い声が聞こえる。怪しい叫びは稲垣足穂、女の声は瀬戸内晴美(寂聴)。一九七〇年に行われた二人の対談時の音声である。宇宙論を展開し、少年愛を、飛行機への愛着を、未来派を語る稲垣足穂の世界をのぞき込む穴。彼の『人間人形時代』(松岡正剛編、杉浦康平デザイン 一九七五年初版 工作舎)にうがたれた穴を思わせる暗部。その凹部に凸部の棒を差し込むという一種エロティックな行為によって飛び出す音声。足穂が自分の名をTARUPHOと綴っていたことにヒントを得て、最後にNを加えてTARU+PHON、すなわち「足穂の蓄音機」と命名された。藤本の作品は、本や書物をメディアの象徴として捉えている。今回出品する三点は、いずれも書物/メディアの聴覚的な側面に焦点を当てた作品である。音を伴う様々な読書体験を提示するこれらの作品は、黙読に慣れ、視覚とせいぜい触覚によって読書を体験してきた近代以降の我々の五感を大いに刺激する。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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キュビズムとは?【 美術用語 】

1907年から08年頃ピカソブラックによって始められた芸術運動。立体派と訳される。それまでの絵画の「視覚のリアリズム」に対して「概念のリアリズム」を主張し、三次元的現実社会の概念を二次元的に翻訳するとともに、絵画を一つの美的存在として結実させることを目的とした。セザンヌキュビズム、分析的キュビズム、総合的キュビズムの各段階に区分される。ルネッサンス以来の写実的伝統から絵画を解放したものとして、20世紀の最も重要な芸術運動の一つと目される。ピカソの〈アヴィニョンの女たち〉がその最初の作品といわれるが、1908年にマチスがブラックの風景画を「キューブ(立体派)」の言葉をもって評したのが名称の起りとなる。代表的な作家としてピカソブラックのほかに、レジェグリス、ヴィヨン、デュシャン、ドローネ、ピカビア、クプカなどの画家があげられる。ほかにアーキペンコアンリ・ローランスなどの彫刻家も参加している。

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