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だんてのこぶね うじぇーぬどらくろわのげんがによる

ダンテの小舟[ウジェーヌ・ドラクロワの原画による]

作家名:ウィリアム・バルボタン
制作年:19世紀彫版
技 法:ビュラン
この作品はドラクロワが1822年のサロンに出品した最初の絵であった。たとえこの作品が、時に敵対するほどの反応をかき立てたとしても、作品の成功は非常に大きなもので、チェル氏のような批評家によっても支えられている。この絵はルイ18世のために、すぐに購入された。そして今日、ルーヴル美術館に保存されている。若干24歳の芸術家ドラクロワは、最初の大傑作の中にも、文学的題材、超自然的題材、あるいは、ドラマチックな題材の解釈についてロマン主義的な美的感覚を明確にした。このテーマはイタリアの詩人ダンテ(1265−1321年)からとられている。第8詠歌『地獄』を描いたもので、三部作の最初の部分『新曲』をあつかっている。ラテン詩人ウェルギリウスの幻影に導かれてダンテは、フレジアスの漕ぐ小舟にのってディテという地獄の町でかこまれた湖を渡っていく。小舟にしがみついて這い上がろうとする悪魔にとり憑かれた人々の間を通っていくダンテは、その幾人かがフロレンス地方の同郷の人々であることをみとめる。地獄の町は紅蓮で大時化の海、悪魔にとり憑かれた人々の苦悩のドラマティックな光景(この形態はミケランジェロやルーベンスの作品から借りている)である。ダンテの身を支えきれないほどの驚きと恐怖のジェスト、ウェルギリウスが平静に彼を支え、対照的なジェスト。この絵の構成のそれぞれの因子は、ドラクロワが、同時代の人々に呼びかけている新しい感覚をよくあらわしている。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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ビュランとは?【 美術用語 】

銅版や木口木版を彫るために用いる彫刻刀。全長約12cmの鋼鉄製の棒で、刃先は斜め45度に切断され、菱形か正方形の断面を持っている。他端から全長の3分の1の部分で折れ曲がっており、その先に木製の握りがついている。使用法は、指で先端の方向を定めながら、握りを手のひらで押し、版面に水平に近く彫り進める。刃先はV字型に版面に食い込み、明快で硬質な線が刻まれる。抵抗の大きいビュランを自在に操り、髪の毛の数分の1の線からあらゆる太さの線までを彫刻するには相当の熟練を必要とする。ビュランは、銅版画の中でも直刻法によるエングレーヴィング版画、そして木口木版画の中心工具であって、鋭い刻線によって繊細で精密な表現を可能にする。ところで、木口木版画も含めて線刻彫版画をエングレーヴィングと総称するが、またこの彫刻刀の名をとってビュランと呼ぶこともある。

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