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こんぽじしょん

コンポジション

作家名:ヴァシリー・カンディンスキー
制作年:1911年頃
技 法:水彩 紙
抽象美術とは、目に見える具体的な対象を持たないことである。その創始者の一人であるカンディンスキーにとって、描くべき対象物に代わるものは何か、というのが大きな課題であった。 カンディンスキー抽象的な表現方法を理論化する際に、比較して考察したのは音楽である。音楽の構成要素である音は、それ自体で何らかの形のある具体的な対象物を持っているわけではない。にもかかわらず、われわれは音楽を聴いて、それを鑑賞し理解することができる。それなら音楽における音を、絵画における色や形に置き換えることができるのではないか。これが、カンディンスキーの理念の骨子であろう。 従って、カンディンスキーの作品で重要なのは、色彩や形態が共鳴し合い、リズムや動きを生み出して、ハーモニーを奏でることなのである。 この作品は、その革命的な制作の最も初期にあたる1911年の作である。まだ完全な抽象には至っておらず、そこに、山や樹木などの風景の名残を暗示のように感じることができる。画面を構成するのは、色で出来上がった点であり線であり、あるいは面である。それらが時には太く、時には細く、あるいは長く、短く、小刻みに、さまざまな波動を生みながら響き合っている。そして、水彩絵の具の透明感が、それらを軽快で清新なものへと演出している。 点であれ線であれ、それは本来、物質的な存在ではない。それは位置や境界を示すものではあるが、ある物理的空間を占めているのではなくむしろ理念的な存在であり、目に見えるものではない。そこまで絵画の構成要素を分析し、精神性と肉的な必然性を重視したカンディンスキーの作品を理解するのは困難にも思える。しかし、あたかも音楽を聴くように画面の発する音に耳を傾けてみると、一見何が描いてあるか分からない画面が、われわれに語りかけてくる瞬間が必ず訪れるのである。


カテゴリー:作品
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抽象とは?【 美術用語 】

語源はラテン語のアブストラヘレ。対象の構成要素のうち、或るものを他から切り離して、ひき出すこと。絵画や彫刻においても、対象の本質的要素を選び出して描写する点において、多かれ少なかれ抽象の作用が含まれるが、美術上この概念が特別な意義を持つようになったのは、1908年にヴォーリンガーが「抽象と感情移入」において、芸術の根本衝動のひとつとして抽象衝動をあげ、これによって原始民族や東方の諸民族の非抽写的な美術を正当に評価しようとしたことと、1910年にカンディンスキーが、初めて対象的事物を描かない絵画を発表し、1912年には「芸術における精神的なもの」において絵画への道のひとつの極として純粋抽象を論じたことに始まる。これ以降、外的対象的世界を描写しない作品が次々と現われ、非具象(ノン・フィギュラティフ)、絶対、非対象、非再現などと呼ばれたが、最も一般的な呼称として抽象が普及した。また、抽象の出現により、それに対抗して再現的な表現を総括するために具象の概念が使われるようになった。

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