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いそみ てるお 磯見輝夫
1941年神奈川県に生まれる。1966年東京芸術大学油画科を卒業、油彩や水彩、またリキテックスの作品を制作していたが、1971年同大学大学院版画科に再入学、本格的に木版を始めた。1973年に修了、主に個展で活動する。1979年、第47回日本版画招会展で協会賞、日動版画グランプリで賞候補となり注目を浴びる。1978年頃から合板ではなく杉板を版本として用いること、また横に並べ継いで大型版画の制作を始めた。板と板との継ぎ目や、板目の違いによる刷りムラも、独自の技法として取り込み、墨一色の力強くプリミティブな作風を確立している。一見、ムンクやゴーギャンを思わせるような、人物、花、樹木などの単純化された構成は、強烈な印象を観る者に与え、現代人に鮮烈な衝撃、悲愴感を投げかけている。
カテゴリー:作家
木口木版とは?【 美術用語 】 版画技法。立木を輪切りにした切り口(木口)を版面とする。版木には黄楊(つげ)や椿(つばき)等の堅い木が使われ、銅彫版と同じく、堅い版材に鋭い線を刻むことのできるビュランやノミによって彫版する。インキは粒子の細かいオフセット印刷用・銅版用・石版用等、油性インキを用い、彫り残された凸部にローラーで均一にインキをのせる。紙は薄手のものが刷り易く、バレンや、より細かい調子を出すためには金属ベラで強く印刷する。特徴は、繊細で精密な表現が可能なこと、また版が堅牢なので大部数印刷にも適していることである。18世紀末に英国人ビューイックが創始したとされる。日本では1887年に伝えられ、教科書や新聞の挿絵等、実用面で広く普及したが、写真製版が発明された後、衰退していく。芸術的な木口木版の制作では山本鼎や長谷川潔などが有名。ところで、木口木版に対して、縦挽きした切り口(板目の表われる面)で制作するものを板目木版と呼び、西洋と逆に日本で木版画といえば、こちらの方が一般的である。 |
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