サン=トーバンはフランスの画家の家系。レディギエール公爵婦人付の刺繍職人の子で、自らも宮廷の刺繍職人となったガブリエル=ジェルマン・ド・サン=トーバンの7人の子供の内6人が画家になっている。その中でシャルル=ジェルマンは主に刺繍や織物、レースの図案を考案し、ガブリエルはパリの街頭風景を気の向くままに写生したり
エッチングにしたりした。またオーギュスタンは肖像や紋章、挿絵のほか宗教画なども描いた。ルイーズ=アムリ=ルグランもそうした画家の一人と思われる。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)