1946年イギリスに生まれる。1963年から67年までマンチェスター美術大学で絵画を学んだ後、
ロンドンのスレード美術学校で彫刻を学び69年に卒業。1970年以降
ロンドンとケントで彫刻の制作に携わっている。1970年セインズベリー賞を受賞。1973年パリ国立近代美術館の国際青年
ビエンナーレ展や76年のヴェネチア・
ビエンナーレ展、77年カッセルの「
ドクメンタ6」などヨーロッパの諸都市で作品を発表している。アメリカのスーパー・
リアリズムの彫刻家ドァン・ハンソンのように人体から直接型を取る技法を用いるが、実物に似せた彩色を加えず、衣装の布も彫刻的な変化を加えて用いるなど表現性が強い。日常生活に題材を取りながら、人体を灰色に塗り、厚紙とワイヤーの奇妙な造形物を付け加えることで、戦前の
シュルレアリスム彫刻に近い表現を示している。ヨーロッパにおけるスーパー・
リアリズム彫刻の特徴をよく示した作家である。(「なぜか気になる人間像 徳島県立近代美術館所蔵名品展」図録(埼玉県立近代美術館)1992年)