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めなむかはんにしゅつげんするすいぞくかん メナム河畔に出現する水族館
24歳の若さで、第3回国際青年美術家展でストラレム賞一席を受賞し、早くから注目されていた宇佐見は、その後も国内外で度々受賞するなど、現在最も注目されている作家の一人である。作風は、初期の抽象画から具象画の人体シリーズへと変遷しているが、この作品は人体シリーズの中でも初期にあたる連作「水族館」の中の一つであり、第36回ベネチアビエンナーレ展に出品されている。この時期の作品は、黒人暴動の報道写真から取り出された4人の人型の組み合わせによるバリエーションから成っている。石を投げる者、うずくまる者、逃げる者などそれぞれの人型はすべて顔を持たないが、顔を持たないことによって、人間の身体とそれを取りまく街との関係をより象徴化したものである。人間や街が抽象化した画面は、あたかも水族館の大ガラスに映る我々の姿であるが、個性が疎外されていく現代社会のひとコマとも言えよう。(仲田耕三「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年09月13日掲載)
カテゴリー:作品
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