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ちょうこくとかちょう 彫刻と花鳥
吉原は、具体美術協会との関連で語られることが多い。1954年に結成された具体美術協会は次々と実験的な表現を展開して、戦後の美術界に衝撃を与えた。この会で指導的な役割を果たし、若い新人を育てた吉原は、戦後の前衛美術を考える上で重要な位置を占めている。この作品は、吉原のきわめて初期の作品である。青空を背景に鳥と花、白い石膏像が描かれ、幻想のような印象を与える。この作品が制作されたころ、美術雑誌などを通じて盛んにシュールレアリスムが紹介されているが、この作品にもその影響が認められるだろう。その後、吉原は二科会で純粋抽象を発表し、戦後は具体美術協会でアンフォルメル、次いで円をテーマにした連作を発表している。初期から一貫して時代の最も前衛的な美術を手掛け、新しい美術の地平線を切り開いてきたと言えるが、この作品はいわばその原点ともいえる作品である。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年02月14日掲載)
カテゴリー:作品
アレクサンダー・コールダーとは?【 作家名 】 1898年アメリカに生まれる。1976年没する。工業学校で学びエンジニアとしての実務についた後、ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグで絵画を学ぶ。1926年パリに渡り、鋼鉄ワイヤーと木によって人物や動物をつくり始め、〈サーカス〉の連作に発展。1928年ニューヨークで初の個展を開催。1930年モンドリアンの作品を見て抽象芸術に開眼し、翌31年モンドリアン、カンディンスキー、ドローネー、モホリ・ナギらの、「抽象・創造」に加わる。1932年パリで初めてモビルを発表。空気の運動で動く彼の彫刻をモビルと名付けたのはデュシャンだが、基本的な色彩と生命形態的な形から成る表現は、モンドリアンの厳格な表現を大気に解放させたような大らかさを持っている。1950年代の終わり頃から、スタビルと言われる動かない彫刻も制作しながら序々にスケールを拡大しモニュメンタルな作品を生み出していった。キネティック・アートの先駆者の一人である。(「なぜか気になる人間像 徳島県立近代美術館所蔵名品展」図録(埼玉県立近代美術館)1992年) |
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