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ちょうこくとかちょう 彫刻と花鳥
吉原は、具体美術協会との関連で語られることが多い。1954年に結成された具体美術協会は次々と実験的な表現を展開して、戦後の美術界に衝撃を与えた。この会で指導的な役割を果たし、若い新人を育てた吉原は、戦後の前衛美術を考える上で重要な位置を占めている。この作品は、吉原のきわめて初期の作品である。青空を背景に鳥と花、白い石膏像が描かれ、幻想のような印象を与える。この作品が制作されたころ、美術雑誌などを通じて盛んにシュールレアリスムが紹介されているが、この作品にもその影響が認められるだろう。その後、吉原は二科会で純粋抽象を発表し、戦後は具体美術協会でアンフォルメル、次いで円をテーマにした連作を発表している。初期から一貫して時代の最も前衛的な美術を手掛け、新しい美術の地平線を切り開いてきたと言えるが、この作品はいわばその原点ともいえる作品である。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年02月14日掲載)
カテゴリー:作品
水墨画とは?【 美術用語 】 墨によって描かれた絵画。墨絵、墨画ともいう。彩色画の対概念で、また、墨線のみの白描画(白画)に対して、墨の暈(ぼかし)による濃淡や筆の抑揚の表現のあるものをいう。中国に始まり、朝鮮・日本に伝った。中国では、戦国時代の帛画にもその徴候が見られるが、盛唐期(7世紀末〜8世紀前半)に輪郭線・色彩による伝統的画法から解放されて生れたものである。「水墨」の語は中唐期(8世紀後半)の詩人劉商の詩にみられる。10世紀には水墨技法は著しく発展し、南宋では技術的完成がめざされた。また、水墨画と禅思想との関係は緊密で、南宋から元初には一画期を現出した。日本では、奈良時代にその先駆的なものがみられるが、鎌倉後期(13〜14世紀)に宋元画の影響によって始りを迎えたといえる。室町時代には如拙・周文らを軸に詩画軸が流行し、その後、室町後期の雪舟、桃山時代の狩野派による金碧障壁画、江戸前期の狩野探幽、後期の円山応挙、また、池大雅、与謝蕪村らの南画など様々に発展し、現代では抽象的造形も試みられている。 |
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