作家名:
福嶋敬恭
制作年:1987年
技 法:油彩 キャンバス
ぬっと現れ、表情も何もわからない。昔の怪獣ものに「人間もどき」と呼ばれる異種生命体がいて、こんな風だった。確かに顔つきはわからないものの、なめらかな筆致を隠さず、あけっぴろげな平面には、作家の息づかいが案内ストレートに盛り込まれている。そこになにかの風貌を感じとることだって、できそうな気がするのだ。いや、まて。誰の影かもわからなぬものに、何を見出そうとしているのか。(「コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ」展図録、1995年)