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あんたいとるど2![]() UNTITLED 2 ![]()
口を半ば開き、眉をつり上げ、熱っぽい視線をこちらへ投げかけるマリリン・モンロー。かつてウォーホルが嫌というほど、反復してみせたこの肖像を、井原康雄もまた取り上げた。肖像はキャンバスにではなく、三十個に分断された、朽ちた壁のような厚い板に転写されている。そして表面には無数のきれつ、剥落がみられる。それは無論、作者の手によるものであるが、見るものはこの壁が、やがては時とともに朽ち果て、マリリンも跡形なく消え去ってしまうのではないかと予感するかもしれない。作者は、このような風変わりな技法でもスターの似顔が描けることを示しているわけではない。その土台が崩れてもなお永遠に残り続けるイメージを、写真から引き出しているのである。それを、私たちの目に焼きついた、マリリンの残像と考えてみてはどうだろう。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年12月07日掲載)
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カテゴリー:作品
![]() ![]() ![]() メゾチントとは?【 美術用語 】 ![]() 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは前者の内の一つ。まず版面にニードル等の針状または刀状のもので、縦・横・対角線の各方向に線あるいは点刻線を平行して密接に刻む。ここで版面は、一面ドライポイントのまくれを併う線で覆われる。それを、先のとがったこて状のスクレーパーで削り取りへら状のバニッシャーでつぶし、磨くことによって図像を表わしていく。凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げると、最も磨かれた部分は白く、まくれを完全に残した部分は黒く、その間に磨き加減によって無限の明暗の階調が表われる。これがこの技法の特徴であり、メゾは「半ば」、チントは「色調」の意である。17世紀中頃、オランダのジーゲンによって発明され、イギリスやフランスで豊かな階調を表現できることから主に絵画の複製技法として流行した。20世紀に入ると、ブランや長谷川潔などが創造的なメゾチント版画の制作を行なった。 ![]() ![]() ![]() |
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