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おんな 女
大正の終わりから昭和の初めにかけて、フォービズム(野獣主義)と呼ばれる新しい美術の潮流が日本に伝えられ、若い画家を中心に広範な支持を集めた。フランスでフォービズムの巨匠・ヴラマンクに学んだ里見は、かの地の生々しい息吹を日本に伝えた一人である。この作品は昭和8年(1933)の第3回独立美術協会展の出品作である。カラーでご覧いただけないのが残念だが、鮮やかな朱色で縁どられた女性像が、肌の黄土色や背景の緑、紫など、奔放な色彩のうねりの中に溶け込んでいる。女性の姿はいびつに崩れているが、何よりも原色の重なりあいが美しく、野性的な情熱を揺り動かすかのような魅力を持っている。フォービズムの画家に共通するのは色彩への情熱であり、色彩を物の形を再現する役割から開放して、主観的な感覚を表現するためにだけ用いようとした。その意味で、この作品は典型的な日本のフォービズムの作例だと言えるだろう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年01月31日掲載)
カテゴリー:作品
ドクメンタとは?【 美術用語 】 1955年以来、西ドイツのカッセル市で、原則として4年ごとに催されてきた進歩的傾向の国際美術展の名前。第1回展は、カッセル・アカデミーのボーデ教授の提唱で、第二次大戦終了までナチスによって進歩的・前衛的芸術が「退廃」の烙印を押されて国際舞台から著しく立ち遅れてしまっていたドイツの芸術に、再び新しい息吹きを取り戻す目的で組織された。以降、ドイツの国民に世界の現代美術の動向を紹介するのを根本とし、多くの国際美術展のような授賞制度を持たずに、毎回テーマを決め、それに基いて委員会が美術家の人選を行うという方法を採っている。第2回展にはアメリカ部門が設けられ、ニューヨーク派の成果が紹介され、第4回展では、出品作家の3分の1がアメリカ人でその作品の多くが巨大なサイズのものという、アメリカの色面抽象絵画、ポップ・アート、ミニマル・アートが支配的なもので、ドクメンタの歴史にひとつの頂点を画したものであった。画商界の動向への追随など批判も多いが、現行の国際美術展では最も規模の大きいものである。 |
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