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ぶらいんどをおろすおとこ ブラインドを降す男
キコキコと、ブラインドを降ろす男には顔がない。背景もない。こういう絵を見て私たちは、好きに情景を想像する。だけど伝えてくるものが何もないわけじゃない。彼が苦心した、渋く響き合う色使いと、ずっしりと塗り重ねた岩肌のような表情は互いにとけ込み、漠とした情感をかすかににじませている。見るそれぞれの、遠い記憶の中に漂う、いつかの夏の日の午後の光を呼び醒ます淡い情感。(「コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ」展図録、1995年)
カテゴリー:作品
マティエールとは?【 美術用語 】 材料、材質、素材を意味する語で、作品自体の表面の平滑さとかごつごつした感じなど素材の選択、用法によって創り出した肌合い、あるいは、絵画作品の場合には絵肌を意味する場合もある。テクスチャー(TEXTURE、材質感)と混合されて用いられるが、テクスチャーは、その物質が備えている表面的な肌の感覚を示すもので、マティエールでは、技術的に創り出されたという面が強調されている。例えば、油彩画の作品において布の感じがよく表現されている場合、油彩というマティエールによって布のテクスチャーがよく表わされているというように用いられる。 |
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