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ひねり・らふ ひねり・裸婦
木内克は、書道に楷書や行書、草書など書体のちがいがあるように、絵画や彫刻にも同じような表現の幅があると述べているが、そのなかでも自分は「彫刻の草書」をやってみたいと言う。この裸婦の作品を見れば、細部の再現に力を入れるのではなく、手びねりの跡をそのまま残しながら大まかに形を捉えているのがわかる。簡略化した形態には、確かに「草書」という言葉に納得させられる自由さがある。木内は、15年にもおよぶ長いフランス留学時代に師事した、ブールデルの直接的な影響から抜け出し、素朴だが若々しい創造力と生命感を持つアルカイック期のギリシャ彫刻に惹かれ、その精神を自らのものとしようとした。粘土を焼いてつくるテラコッタと呼ばれる彫刻技法による素朴で暖かい素材感や、草書と比べられる自由で生き生きした形態を生み出すのも、この留学時代の探求が出発点となっている。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年04月11日掲載)
カテゴリー:作品
外光派とは?【 美術用語 】 19世紀フランス絵画史における呼称。ルネッサンス以降ヨーロッパのアカデミックな美術教育では屋内で油絵を完成するのが習しだったが、19世紀に入ると屋外の太陽光の下で油絵を完成しようとする作家が現れた。そうした作家あるいは制作態度を指す。主題としては風景画が多く、具体的な作家としてはヨンキスト、ブーダンなど印象派の先駆的な役割を果した作家を指し、クールベやコローなどを加えることもある。印象派も屋外での制作に専念しているが、普通は外光派と区別し、むしろ印象派の技法とアカデミックな主題を折衷して19世紀後半のパリ画壇で人気を得たサロンの作家たちを指すことが多い。日本ではサロンの作家ラファエル、コランに学んで1893年帰国した黒田清輝を中心として形成された洋画の新傾向とその一群の作家を指す。黒田が帰国するまで主流であった脂派との対比から、紫派、新派、南派、正則派とも呼ぶ。 |
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