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いでんせんしょくたいのあめのなかでけいじをまつ 遺伝染色体の雨の中で啓示を待つ
この作品を前にすると、だれもが今まで体験したことのない不安にも似た感覚に龍われるのではないだろうか。鳥カゴの中に、精妙に作られた人間の頭と手が収められ、鳥カゴには色とりどりのひもがからみついている。半透明の青白い肌の下から塗り込められた色ひもが浮かび上がっていて、血管を思わせるかのようだ。この気味悪さと色鮮やかなひもの美しさとの隔絶ぶりが、鳥カゴの中の人間の頭という非日常的な光景ともあいまって、言いようのない奇妙な感覚を呼び起こす。美術の表現方法は1960年代に入ると爆発的に多様化した。工藤はこの時期を代表する作家で、この作品は彼の典型的な作例だと言える。しかし、その価値は表現方法の新しさだけでない。それまで人間が気付かなかった感覚を形にしてみせたように、表現方法の新しさが精神の奥深い所に結びついている点にある。工藤は表現方法ばかりか、表現される内容も拡大してみせたのだと言えよう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年12月24日掲載)
カテゴリー:作品
ポーターとは?【 作家名 】 1907年アメリカに生まれる。1928年、ハーヴァード大学卒業。ニューヨークのアート・ステューデンツ・リーグ、パーソンズ・スクール・オブ・デザインなどに学ぶ。ポーターは現代アメリカ絵画において希有な影響力をもつ画家=批評家だった。彼はデ・クーニングについて書いた最初の画家であり、デ・クーニングの作品をごく初期から集めたコレクターの一人でもあった。ポーターの、じかに対象を見ながら描いた静物画、室内画、肖像画、風景画はアメリカン・リアリズムの重要作品に数えられる。彼のロング・アイランドの自宅は当時の画家や詩人、知識人のたまり場だった。彼の評論集『フェアフィールド・ポーター−内側からみた美術』は現代の芸術と具象絵画について書かれた本として重要な一冊である。(「アメリカン・リアリズム」図録 1992年) |
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