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おとことおんな 男と女
戦前から前衛的制作を試みていた鶴岡は、戦後の多彩な表現活動の出発点を形作った作家の一人である。1959年ごろ、鶴岡と鶴岡の友人たちは「いつもと違ったことをやろうじゃないか」と語り合って、画家である鶴岡は友人の彫刻家のアトリエで彫刻を試みた。そのアトリエには何人かの画家が通ったが、中でも鶴岡が一番熱心で、一日と明けずに通ったという。鶴岡はその時、大小あわせて5、6点制作しているが、一番大きなものがこの「男と女」である。この作品は切り抜いた鉄版を溶接して作った彫刻ではあるが、大がかりな切り絵だと考えてもよい。二つの頭は一つの体を共有していて、その体は男女の体の特徴を兼ね備えている。このような作品はある意味で余技とも言えるが、それだけに作家の抑え切れない制作意欲が現れている。また既成の枠にとらわれない鶴岡の自由な精神がうかがえるかのようだ。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年11月22日掲載)
カテゴリー:作品
クレーとは?【 作家名 】 1879年スイスに生まれる。1940年没する。ドイツ、ミュンヘンの美術アカデミーに学び、当時の前衛的なグループ「青騎士」に参加、カンディンスキー等と交流する。初期は神経質でありながらダイナミックな線描で知られ、後に豊かな色彩を用いた作風へと変遷した。キュビスムやシュルレアリスム、抽象などの様々な要素を消化し、線と色彩の効果が十分に発揮された高い精神性を持つ独自の画風を確立。ドイツの近代デザインの学校であるバウハウスで教鞭を執り、理論家として多くの作家に影響を与えるなど、今世紀の巨匠の一人に数えられる。スイスのベルンにクレー財団が設立されている。 |
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