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ひと 人
柳原は戦後、42歳ではじめて渡欧した。制作に打ち込む彼の姿は、初心に帰った純粋さがあったと言う。「何のために彫刻をつくるのか、という実に当たり前のこと」を自分に問い続けた。大きな変容を遂げつつあるヨーロッパの彫刻界のなかで、外国の模倣でない「私自身」の彫刻を追求した。そして、その成果は帰国後の活躍でいかんなく発輝される。帰国の翌年、高村光太郎賞や現代日本美術展優秀賞を受賞し、1960年にはヴェネチアビエンナーレ展に出品する。「人」はその時期に制作された。この作品は、具象彫刻でありながら、胸のあたりに大きなくぼみがあるなど、でこぼこした形が目につく。これは対象を大胆に変形し、形に密度と緊張感を持たせようとする試みによるものである。柳原はそれによって、物の表面にとらわれず、人間の内部にある美意識を独自に探りあてたのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年05月24日掲載)
カテゴリー:作品
ゴーギャンとは?【 作家名 】 パリに生まれ幼時をペルーで過ごす。南米航路の船員を経て、株を扱う会社で働くが、20歳代後半から絵を始め、30歳代後半には絵だけの生活に入る。絵の売れない苦しい生活の中、現代文明への反発と原始的な生活へのあこがれから北西部のポン・タヴェンに移り住み、その地に集まった画家たちのリーダーとなる。その後、ゴッホと南仏アルルで一時期を過ごした後タヒチ島に住み着く。印象派の影響を受けながらも、明確な輪郭線と色面によって内面的なものを表出する独自の作風を確立した。 |
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