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おとこ オトコ
長く海外に住んで制作する作家は、自身が生まれ育った日本を意識して表現を試みることがある。1952年に渡仏し、パリを中心に国際的な活動を続ける菅井汲の作品にもそれを認めることができる。初期の菅井は、「伝統的なフォークロアに埋没してしまうことなく、日本的な性格を持った芸術をつくりだしたい」と語っているが、毛筆の動きを思わせる簡潔な形態を効果的に用いて様々なテーマに取り組んでいる。「月」や「雲」、「山」、「雷」など自然をテーマにしたものや、「鬼」をテーマにした作品などがそうである。石版画であるこの「オトコ」も、「牛若」や「武士」などの作品と同じように「鬼」のシリーズのバリエーションとして制作された。後に菅井は、日本の紋章に通じる明快な色彩と幾何学的構成による都会的な作風を展開し、初期の作品の持つ「日本的な性格」を、より現代的な形で昇華していったと言えるだろう。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年02月28日掲載)
カテゴリー:作品
ビエンナーレとは?【 美術用語 】 2年ごとに開かれる展覧会のことをいう。「2年ごと」という意味のイタリア語、ビエンナーレ(BIENNALE)が転じて、展覧会自体のことを指すようになった。最も古くからあるものとしては、1895年創設のベネチア・ビエンナーレがある。戦後になって1951年のサンパウロ・ビエンナーレをはじめ、東京、パリ青年、リュブリアナ等多くの国際的ビエンナーレが創設されたが、いずれもベネチアをモデルとしているといえよう。コミッショナーによる推薦制をとるところが多く、また、国際的規模で開催されるものが有名であるが、日本においてこの用語は、推薦制であれ公募制であれ、また国際的であれ国内に限られるものであれ、2年ごとに行なわれるコンクール形式の展覧会を広く指し示すものとして使われている。対象は、美術一般とされる場合もあれば、版画やデザインなど特定のジャンルに限られる場合もある。ちなみに、一年ごとのものはアニュアル、3年ごとのものはトリエンナーレと呼ばれている。 |
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