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せのひくいおれんじはまんなかあたり せのひくいおれんじはまんなかあたり
元永定正は、戦後の前衛美術の展開に大きな足跡を残した具体美術協会に加わり、絵具を大胆に掛け流して描いた絵画など、先鋭的な表現の作品で注目を集めた。その後は、この版画のように、自ら「抽象漫画」と称する親しみやすい作品を手がけている。現代美術と言えば、難しいと思う人がいるが、この作品を見れば、そのような考え方も変わらないだろうか。確かに抽象的な形から成った作品だが、その形自体、実にユーモラスではないか。元永は、理論を先行させるのではなく、「何でもいいから、おもろかったら、やろうか、と理屈抜きで描いている」と言う。そして自ら、理屈で絵を描く「知性派」に対して「アホ派」を名乗るなど、その「理論」もユニークである。しかし既成観念にとらわれず、自分が「おもしろい」と感じる表現を、思いのまま進めようとする彼の制作姿勢が、前衛的で、自由な遊びの精神の横溢(いつ)した作品を生んだのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年11月29日掲載に一部加筆)
カテゴリー:作品
レリーフとは?【 美術用語 】 浮彫り(うきぼり)。平面を彫り込み、あるいは、平面上に形を盛り上げて肉付けした彫刻。彫り出された部分の肉の厚い高肉彫(厚肉彫、高浮彫)と、肉の薄い薄肉彫(浅肉彫、浅浮彫)がある。これらはともに陽刻(モティーフが彫囲より浮き上がらせて表わす技法)であるが、古代エジプトの沈め浮彫りや、肉合彫り(ししあいぼり)、インタリオなど陰刻(モティーフを地の面より彫りくぼめて表現する方法)によって、平面に起伏を与える技法もあり、また彩色される場合も多い。三次元の典型的な彫刻様式である丸彫り(対象を完全に三次元で構成し、全方向から見ることのできる立体表現)に比べて、絵画に接近した二次元的な彫刻といえる。特に薄肉彫においては、薄肉のうちに物体の厚みと奥行の深さを暗示するという独特の技術が必要とされる。浮彫りから派生し、類推して、平面上に凹凸、起伏を与えた造形表現全搬を指してレリーフということもある。また、絵画において物の厚みや奥行きを立体的に表現することをいう。 |
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