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せのひくいおれんじはまんなかあたり せのひくいおれんじはまんなかあたり
元永定正は、戦後の前衛美術の展開に大きな足跡を残した具体美術協会に加わり、絵具を大胆に掛け流して描いた絵画など、先鋭的な表現の作品で注目を集めた。その後は、この版画のように、自ら「抽象漫画」と称する親しみやすい作品を手がけている。現代美術と言えば、難しいと思う人がいるが、この作品を見れば、そのような考え方も変わらないだろうか。確かに抽象的な形から成った作品だが、その形自体、実にユーモラスではないか。元永は、理論を先行させるのではなく、「何でもいいから、おもろかったら、やろうか、と理屈抜きで描いている」と言う。そして自ら、理屈で絵を描く「知性派」に対して「アホ派」を名乗るなど、その「理論」もユニークである。しかし既成観念にとらわれず、自分が「おもしろい」と感じる表現を、思いのまま進めようとする彼の制作姿勢が、前衛的で、自由な遊びの精神の横溢(いつ)した作品を生んだのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年11月29日掲載に一部加筆)
カテゴリー:作品
象徴主義とは?【 美術用語 】 サンボリスム。1880年代の後半にフランスでおこった反写実主義的な運動。はじめは、詩人モレアスの「象徴主義宣言」によって明確にされているが、マラルメ、ランボー、ヴェルレーヌらを中心とした、詩語の音楽性を重視し、語音の響きによって内的生命や特別の観念を象徴させようとする文芸上の運動から始った。美術上の象徴主義は、これらの詩人たちの影影のもとに遅れて現われた、反写実主義的な傾向を指すが、文芸の場合ほど明確な主張や運動ではなかった。直接的には、批評家オーリエの論評「絵画における象徴主義」(1891)で「芸術作品の必須条件は、1理念的であること、2象徴的であること。3総合的であること。4主観的であること。5(以上の帰結として)装飾的であること。」と宣言されており、ゴーガンを中心としたポン=タヴァン派や、ドニを理論家としたナビ派を指す。後に象徴主義に対する見解は広まり、神秘的な主題を扱い、宗教的・詩的な観念の表現を試みた世紀末の作品も含まれ、ルドン、モロー、クリムトらが代表的作家とされる。 |
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