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あみうつひと2 網打つ人 - II
木版画としては珍らしく大きな画面に、水辺で網を打つ人の姿が墨一色で刷り上げられている。画面のいたる所に彫刻刀の跡が残り、黒い塊のような量感は荒けずりで力強い。現代人が忘れていた土俗的、原始的な感動を呼びさまし、何か悲愴(ひそう)感をおびた物語の一節をほうふつとさせるかのようだ。現代の版画技法の発達は目ざましく、精微で色彩豊かな作品が次々と創られている。小ぎれいでソツなくまとまった作品があふれているといっても過言ではないだろう。ところが磯見はこのような風潮に背を向け、小細工のきかない杉板を使った作品を制作している。また現代美術は文学生を排除する傾向にあると言えるが、そのような中にあって磯見の象徴的とも言える精神性、文学性豊かな作品は異彩を放っている。創作版画の原点への回帰であり、いささか閉塞(へいそく)状況に陥りつつある現代美術へのアンチテーゼだと言えるだろう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年08月09日掲載)
カテゴリー:作品
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シュルレアリスムとは?【 美術用語 】 超現実主義。20世紀の芸術思潮のひとつ。1924年にアンドレ・ブルトン(フランスの詩人、1896〜1966)の「シュルレアリスム第一宣言」により「シュルレアリスムとは口頭、記述、その他あらゆる手段で思考の真の過程を表現しようとする純粋な心的オートマティスムである」と定義された運動。美術、詩、文学、政治など広い範囲にわたって、想像力の解放と合理主義への反逆を唱え、人間自体の自由と変革を目指した。初期は、ダダを受け継ぎ、フロイトの心理学の影響を受け、オートマティスムの方法で夢、幻覚などに現われる意識下の非合理な領域に踏み込んだ。この時期を代表する画家にコラージュ、フロッタージュ、デカルコマニーの手法で不安な幻覚を定着したエルンストがいる。1930年頃から、政治への参加をめぐって運動は分裂する。後期の代表的作家には、偏執狂的批判的方法で幻想の即物的な表出を表現したダリがいる。また、第二次大戦中アメリカに亡命したシュルレアリストたちは、抽象表現主義の誕生に影響を与えた。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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