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ショドワンの家



初年兵哀歌(歩哨)



ショーンツァイト



白井雨山



白井晟一



白樺派



白髪一雄



白滝幾之助



「白雪姫と七人の小人」に関する草稿



知られざる傑作



シラー



〈シリー・リリーズ[馬鹿げた百合たち]1995〉



シルクスクリーン



シルクスクリーンNo.82



シルバークロス乳母車



白い教会



白い日



「白地に黒」



「新−観念論」



新印象主義


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しろいひ

白い日


1940年旧満州国奉天に生まれた清塚紀子は、東京芸術大学大学院を68年に修了し、70年から本格的に版画作品を発表し始める。初期の1970年代前半には、日常的な風景の断片が様々な手法で画面上に再構成される作風を展開した。この<白い日>もそうした中の一点である。一人の女性が膝の上に篭をのせて腰掛けているようだが、表情や細かなしぐさまでは見えてこない。彼女の居る場が室内なのか屋外なのか、空間的な奥行きをもつのかどうかさえはっきりとは分からない。複数の銅板技法によって描き出された幾つかの異質な素材感が、静かに、この場を成立させている。画面上に呼び戻された或る一日の記憶が、ちょうど私たちもよく体験するように、思い出せそうでいて確かな像を結ばず、ぼんやりとした後味だけを漂わせている、そんな雰囲気がある。記憶の肌ざわりとでも言えるようなものを感じさせる作品である。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年03月14日掲載)


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けんさくけっか

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徳島県立近代美術館2006