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しろいひ

白い日

1940年旧満州国奉天に生まれた清塚紀子は、東京芸術大学大学院を68年に修了し、70年から本格的に版画作品を発表し始める。初期の1970年代前半には、日常的な風景の断片が様々な手法で画面上に再構成される作風を展開した。この<白い日>もそうした中の一点である。一人の女性が膝の上に篭をのせて腰掛けているようだが、表情や細かなしぐさまでは見えてこない。彼女の居る場が室内なのか屋外なのか、空間的な奥行きをもつのかどうかさえはっきりとは分からない。複数の銅板技法によって描き出された幾つかの異質な素材感が、静かに、この場を成立させている。画面上に呼び戻された或る一日の記憶が、ちょうど私たちもよく体験するように、思い出せそうでいて確かな像を結ばず、ぼんやりとした後味だけを漂わせている、そんな雰囲気がある。記憶の肌ざわりとでも言えるようなものを感じさせる作品である。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年03月14日掲載)


カテゴリー:作品
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クプカとは?【 作家名 】

1871年ボヘミアのオポシュノに生まれ、パリで活躍した。神秘思想に傾倒し、色彩や線、形に内在する象徴的な力の造形化を試みる。1909年には非具象的な形態を音楽の法則に従って配列した作品を発表する。抽象度の高いキュビスムとの類似性も指摘されるが、その精神性や音楽と美術の共通性を重視した抽象性は、それらと一線を画している。

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徳島県立近代美術館2006