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ふじさん 富士山
島は写真製版によるシルクスクリーンで様々な表現を試みている。この技法はポジフィルムをスクリーン上に転写した孔版の一種だが、単なる写真の複製にとどまらず、写真では得られない画面効果を造り出すことができる。ここで取り上げた作品は、静岡県富士市の風景を提った写真をもとにしている。富士山の裾(すそ)野に開けた富士市は古くから製紙業が盛んで、作品が造られた1970年代は、ばい煙とヘドロによる公害の町として有名だった。画面の煙突は、ばい煙を上げる製紙工場、手前はパルプの集積場、奥に見えるのは言うまでもなく富士山である。作者がどこまで意図していたかはわからないが、富士山が日本人の伝統的な意識を代表するとするならば、近代的な工場施設とその結果としての公害は、あまりに皮肉なコントラストを造り出していると言えよう。一見印刷むらに見えるような荒れた画面の処理も、この風景を一層陰惨なものにしている。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年08月30日掲載)
カテゴリー:作品
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ビエンナーレとは?【 美術用語 】 2年ごとに開かれる展覧会のことをいう。「2年ごと」という意味のイタリア語、ビエンナーレ(BIENNALE)が転じて、展覧会自体のことを指すようになった。最も古くからあるものとしては、1895年創設のベネチア・ビエンナーレがある。戦後になって1951年のサンパウロ・ビエンナーレをはじめ、東京、パリ青年、リュブリアナ等多くの国際的ビエンナーレが創設されたが、いずれもベネチアをモデルとしているといえよう。コミッショナーによる推薦制をとるところが多く、また、国際的規模で開催されるものが有名であるが、日本においてこの用語は、推薦制であれ公募制であれ、また国際的であれ国内に限られるものであれ、2年ごとに行なわれるコンクール形式の展覧会を広く指し示すものとして使われている。対象は、美術一般とされる場合もあれば、版画やデザインなど特定のジャンルに限られる場合もある。ちなみに、一年ごとのものはアニュアル、3年ごとのものはトリエンナーレと呼ばれている。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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