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そよぐひとたち そよぐ人達
小作の描く画面には人間ばなれした異形の生きものがうごめいている。この作品も黄泉の国を思わせるような積み重なりの中から、いくつもの生きものが立ちのぼり、風にそよいでいる。日常生活では決して目にすることのない幻想の世界である。リトグラフを始めたばかりのころを、小作は次のように語っている。「何をどう描いて良いのか戸惑ってしまいました。その当然の結果として、知っている事だけでは間に合わず、空白を、想像や見たてで埋めることを強制されました。この想像し、でっち上げる事で絵の世界を創(つく)り出す面白さを知ったことが、私の版画の出発点であったと考えます」小作は手を動かすことであいまいなイメージを形にしているのだろう。「想像し、でっち上げる」と、はぐらかしているが、描かれたのは目に見える「知っている」世界でなく、意識下の世界だけに、より人間の本質的な存在を明らかにしていると言えよう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年06月14日掲載)
カテゴリー:作品
ジャスパー・ジョーンズとは?【 作家名 】 1930年アメリカに生まれる。サウスカロライナ州立大学で学んだ後、1949年には兵役で仙台に半年いたこともある。1952年にニューヨークに出た後、54年にラウシェンバーグと出会う。同年、星条旗を描き始め、翌年には標的の、そして数字の作品も描き始める。1958年にレオ・キャステリ画廊で初個展を開き、59年にはデュシャンと出会う。1960年代には缶やほうきなどを画面にはりつけた作品を制作。1970年代には、敷石のイメージや網目模様の作品も描くようになる。1964年にはロンドンのホワイトチャペル画廊で、77年にはホイットニー美術館で回顧展。1986年にはニューヨーク近代美術館で版画の回顧展が行われた。彼の描く星条旗は、旗の絵ではなく旗そのものではないだろうか、という問いは、芸術作品の意味作用そのものに対する問いでもある。抽象表現主義とポップ・アートをつなぐネオ・ダダの重要な1人として、その評価は高い。 |
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