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こんせくえんす3 Consequence 3
画面の上を無数の線が走っている。よく見ると数本の線が寄り集まって束になり、その束がまた寄せ集められて一つの組織体を作っている。あたかもそれは、電子顕微鏡で捕らえられたミクロの世界での生命活動のようでもある。こうした微視的な世界を、作者は銅板画の一種であるエングレーヴィング技法によって描出する。画面を覆う無数の線の一本一本は全て、作者がビュランと呼ばれる鋭い彫刻刀で銅板に刻みつけたものである。慎重にゆっくりと彫り進められた精緻な線の集合は、見る者に凝縮されたエネルギーの緊張感を伝えてくる。標題のコンセクアンス(帰結)とは、神秘的な生の営みが静かに脈打ち、流れる様を意味しているのかもしれない。作者の木原康行は1932年北海道生まれ。武蔵野美術大学を卒業し、パリの有名な版画工房「アトリエ17」で銅板画を学んだ。エングレーヴィング版画の代表的な作家として知られている。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年04月18日掲載)
カテゴリー:作品
カールとは?【 作家名 】 版画家、版画出版家、版画商。1728年アカデミーの会員となる。リゴー、ルモワーヌ、ヴァトー、シャルダン、グルーズなどの肖像画、歴史画、神話画などにもとづく版画作品を得意とし、当時のもっとも優れた複製版画家の一人となる。単なる複製制作者ではなく、解釈家と評された。ジャック・フィルマン・ボーバルレなど多くの優れた弟子も育てている。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年) |
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