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ぺんしる2ー 1 Pencil 2-1
木村秀樹は1948年京都府に生まれ、京都市立芸術大学を修了した1974年に第九回東京国際版画ビエンナーレで京都国立近代美術館賞を受賞しました。この作品は、その受賞作と同じく<ペンシル>シリーズの中の一点であり、初期の代表作といえるものです。鉛筆を持った手の図像が、写真製版を用いて、ごく普通の方眼紙に印刷されています。方眼紙に鉛筆とくれば、一体どんな線が引かれるのか想像してみたくもなりますが、作品に向かっていると、作者の意図はもう少し別のところにあるようにも思えてきます。なぜなら二つの手はただ鉛筆を持って見せているだけで、何も描こうとはしていないからです。そこには、作品の存在自体を問い掛けようとする観念的な思考をみてとることができます。しかしその一方で、見る者の視線をさまよわせるような、つかみどころのない透明感があって、作者の繊細な感性が表されているのです。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年07月18日掲載)
カテゴリー:作品
アクション・ペインティングとは?【 美術用語 】 おもにニューヨークを中心に、第二次世界大戦後に起った抽象絵画の傾向。アメリカの批評家、ハロルド・ローゼンバーグの著作「アメリカのアクションペインターたち」にちなんだ呼称。1950年代の抽象表現主義の画家たちの総称として用いられるが、ドリッピングの技法を採用した1947年以降のポロックを念頭においたものだった。ローゼンバーグが“自己超越”と定義したように、完成品としての絵だけでなく、それをつくり出した過程、すなわちそれを描いていた時の芸術家の行為自体に重要性を与えることによって、ヨーロッパ風の自己表現の秩序と調和のある小宇宙を超えようとする。ポロック、デクーニングなどが代表的な作家とみなされる。 |
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