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にっき1987ねん 5がつ 30にち かしわしきっこうだい2-12-4 日記1987年5月30日、柏市、亀甲台、2-12-4
野田哲也は、1968年の東京国際版画ビエンナーレ展で大賞を受賞した。日本の伝統的な木版画と写真を使ったシルクスクリーンを併用した独自な表現が高く評価された。受賞作は家族の日常風景をとらえたものだが、彼はそのモチーフを、今日まで一貫して追求している。「ぼくは自分の日記として、作品を使ったのです」と彼自身が言うように、写真の映像も使いながら、まるで絵日記を描くように、作品をつくり出す。子供たちの成長する姿がつづられ、妻と自身の姿が描きとめられる。この作品でも、タイトルが示すように、1987年5月の自宅での平凡な一瞬が表されている。現代美術では、写真のイメージを使うことも多いが、野田の場合、それを刻々と移りかわる個人的な日常を、永遠に定着させるようにして使う。そして、和紙を利用した独特な版画技法により、写真では得られない魅力を持つ作品に仕上げているのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年05月03日掲載)
カテゴリー:作品
アール・ヌーヴォーとは?【 美術用語 】 「新しい芸術」という意味。モダンスタイル(MODERN STYLE、英)、ユーゲントシュティール(JUGENDSTIL、独)ともよばれる。19世紀末から20世紀の初頭にかけて、フランス、ベルギーを中心としてヨーロッパで流行した芸術様式のことで、自分たちの時代に相応しいものを求める人々によって推し進められた。極めて装飾的な造形上の特徴をもち、それは時に、華美、装飾過剰とも思われかねない。花や葉などの植物を主題としたような曲線を好み、その有機的、生命的な表現は、絵画、デザイン、工芸、建築をはじめとして広い範囲に及んだ。デザインの分野では、ポスターが流行して、ミュシャは時代の子となり、家具調度品の工芸の分野では、ガレがガラス工芸などによって名を馳せ、建築の分野では、オルタやギマール、ガウディといった人々の活躍がみられた。 |
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