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にっき1987ねん 5がつ 30にち かしわしきっこうだい2-12-4 日記1987年5月30日、柏市、亀甲台、2-12-4
野田哲也は、1968年の東京国際版画ビエンナーレ展で大賞を受賞した。日本の伝統的な木版画と写真を使ったシルクスクリーンを併用した独自な表現が高く評価された。受賞作は家族の日常風景をとらえたものだが、彼はそのモチーフを、今日まで一貫して追求している。「ぼくは自分の日記として、作品を使ったのです」と彼自身が言うように、写真の映像も使いながら、まるで絵日記を描くように、作品をつくり出す。子供たちの成長する姿がつづられ、妻と自身の姿が描きとめられる。この作品でも、タイトルが示すように、1987年5月の自宅での平凡な一瞬が表されている。現代美術では、写真のイメージを使うことも多いが、野田の場合、それを刻々と移りかわる個人的な日常を、永遠に定着させるようにして使う。そして、和紙を利用した独特な版画技法により、写真では得られない魅力を持つ作品に仕上げているのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年05月03日掲載)
カテゴリー:作品
モニュメントとは?【 美術用語 】 個人、事件、思想などを顕彰し、記念して、永久に残すことを目的とする作品のことを言う。すなわち記念的造形物一般を指す語で、凱旋門、記念堂、記念像、記念碑、霊廟、陵墓などがあるが、広義には、歴史的・文化的に意義のある建築物、建造物、さらには規模の大きい彫刻、モザイク、ステンド・グラスのような建造物と一体をなすような絵画・工芸装飾の作品類をも指し、ほぼ歴史的建造物・文化財という範囲まで示すこともある。美術作品についてモニュメントという言葉を使うときは、偉大さ、高雅さ、耐久性などのイメージがあり、本質的なことではないにしろ形の大きさも問題となる。また歴史上長く保存されてきたものは、当然保存する価値があると思われたものである。従って、美術批評で美術作品のもつ様式的な意味あいのひとつとして「モニュメンタル」という表現を用いた場合には、元来モニュメントとして作られていないものも、モニュメンタルな様式に含まれることになる。 |
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