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にっき1987ねん 5がつ 30にち かしわしきっこうだい2-12-4 日記1987年5月30日、柏市、亀甲台、2-12-4
野田哲也は、1968年の東京国際版画ビエンナーレ展で大賞を受賞した。日本の伝統的な木版画と写真を使ったシルクスクリーンを併用した独自な表現が高く評価された。受賞作は家族の日常風景をとらえたものだが、彼はそのモチーフを、今日まで一貫して追求している。「ぼくは自分の日記として、作品を使ったのです」と彼自身が言うように、写真の映像も使いながら、まるで絵日記を描くように、作品をつくり出す。子供たちの成長する姿がつづられ、妻と自身の姿が描きとめられる。この作品でも、タイトルが示すように、1987年5月の自宅での平凡な一瞬が表されている。現代美術では、写真のイメージを使うことも多いが、野田の場合、それを刻々と移りかわる個人的な日常を、永遠に定着させるようにして使う。そして、和紙を利用した独特な版画技法により、写真では得られない魅力を持つ作品に仕上げているのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年05月03日掲載)
カテゴリー:作品
抽象表現主義とは?【 美術用語 】 主として第二次大戦後のアメリカで開花した非幾何学的な抽象美術を指して、1950年頃から一般に用いられるようになった言葉。カンディンスキーの1910〜14年の絵画に対して使われたのが最初らしいが、1946年、アメリカの画家、アーシル・ゴーキーとジャクスン・ポロックの作品に対して使われるにおよび流行語となり、たちまち他のニューヨーク派の画家の作品にも拡大されて、抽象的でなくても、表現主義的でなくてもそう呼ばれるようになった。そのため、批評家のハロルド・ローゼンバーグは「アクション・ペインティング」という概念を導入したが、この語は当時支配的な実存主義的な意味合いが強調されており、今日ではあまり用いられない。代表的作家としては、マーク・トビー、デ・クーニング、マーク・ロスコなどがあげられる。各人の作品はあまりに多様であるが、強いて要約すれば、即興的、エネルギッシュ、自由な技法を用いて、既成の因襲的な良き趣味を満足させるよりも、人々の物の見方に衝撃を与えることを望んだ非イメージ的で反形式的な絵画といえる。 |
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