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アッベマ



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アデイェミ



アデイェミ



アトランタ1945+50



アトランタ1945+50



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アナツイ



アナパ



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あとらんた1945+50

アトランタ1945+50

作家名:大竹伸朗
制作年:1996年刊
技 法:本、写真
大竹伸朗著。一九八〇年代にニュー・ペインティングの旗手として登場し、その後、絵画や立体、本の制作、ノイズ・ミュージックと、多彩な活動を続けている大竹伸朗。そんな彼が本を作り始めたきっかけは、一九七七年、武蔵野美術大学在学中に、単身渡ったロンドンであった。チケットなどの印刷物、アル中の男から買い求めたゴミ袋にぎっしり詰まったマッチのラベル。それらをノートに貼り、スクラップ・ブックを作り始めるのである。渡英前にも印刷物には関心があり、コラージュを試みていた大竹であったが、このゴミ袋との出会いが転機となった。そして、初めは整然と貼り付けていたが、しだいにそれは混沌とした様相を見せていく。〈アトランタ1945+50〉。一九九五年、翌年に開催予定のアトランタ・オリンピック関連の文化事業として、同地の「ネクサス・コンテンポラリー・アートセンター」がアーティストを招聘して本を制作するプロジェクトを行った。その時制作したのがこの本。制約は予算(一万五千ドル)と、アトランタという場所をそこに反映させることのみ。大竹は、予算を節約するため色分解をカラーコピー機で行った。用紙は広告に使われた後の使用済みの紙を現地で調達する。そこに印刷されるイメージは、荒っぽい製版とばらつきのある用紙のために、仕上がりを誰も予想できない。さらに、蛍光のインクを使用し、ブラックライトを当てると全く違ったイメージに変身する。また、豆本が糸によってつながれており、そこには日本の印刷物のイメージが刷られた。様々な困難と、それを凌駕する強い意志を持って出来上がった本。印刷物や大量生産の日用品。すぐゴミになるものたち。しかし、それらの中には小賢しい人間の作為の産物や造形をはるかに超えて、何か喚起する力を持つものがある。大竹はそれらを見つけ出し、貼り重ねる。そして、「ヤレ」の利用に代表される様々な工夫によって、人間の作為を極力避けながら本にしてきた。大竹の本作りの原点であるスクラップ・ブックは、この間にさらに混沌の度合いを増して、厚く重層的に盛り上がっている。これからも大竹伸朗は、都市を歩き回りスクラップを続けていくに違いない。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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藤田嗣治とは?【 作家名 】

1886年東京都に生まれる。1968年没する。(スイス、チューリヒ)。1910年東京美術学校西洋画科を卒業する。1913年フランスに渡り、ピカソモディリアーニらと交友する。乳白色のなめらかな絵膚に線描する独自の画風を創り出し、1919年サロン・ドトンヌの会員、2年後に審査員に推挙されるなど、一躍エコール・ド・パリの寵児となる。1929年一時帰国したあと、1930年から33年にかけてパリを足場に中南米各地で制作、39年から40年にかけて再度フランスに渡る。その間1934年二科会会員、41年帝国芸術院会員となり、43年朝日文化賞を受賞する。戦後は1949年アメリカを経てフランスに渡り、55年フランスに帰化、57年レジオン・ドヌール勲章を受賞、59年ベルギー王立アカデミー会員となる。1959年カトリックの洗礼をうけてレオナルド・フジタと改名、晩年はフランスのノートル=ダム・ド・ラ・ペ礼拝堂の設計、壁画制作に没頭する。(「ピカソと日本」図録 1990年)

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