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どら・まーるのしょうぞう

ドラ・マールの肖像

作家名:パブロ・ピカソ
制作年:1937年
技 法:油彩 キャンバス
ピカソはスペインに生まれ、幼い時から父親に絵の手ほどきを受けた。父親から教わった絵は古典的な写実画だったが、1902年にパリに移住してからは「青の時代」「サーカスの時代」「キュービズム」「新古典主義」そして「幻想の時代」へと、次々に作風を変化させ、20世紀の画家に多くの影響を与えた。また絵画だけでなく彫刻、陶器、版画と旺(おう)盛な制作意欲と独創性を見せ、今世紀最大の芸術家と言われる。この作品は、ピカソの最高傑作とされる「ゲルニカ」の制作過程を写真に撮って残し、後世のピカソ研究に大きな貢献をした恋人、ドラ・マールを描いたものである。いくつかの視点から見た形を一つの画面にとり入れるキュービズムの技法が用いられていて、実際の姿とはかけ離れている。しかし、画面からはそう明でおだやかな彼女の人柄さえ感じ取れる。モデルの本質をとらえることに成功した優れた肖像画の一点だろう。(江川佳秀「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年05月10日掲載)


カテゴリー:作品
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シュプレマティズムとは?【 美術用語 】

絶対主義と訳される。ロシアの芸術家マレーヴィッチが、ソビエト革命前後に提唱した抽象絵画の方法と哲学のこと。1915年にモスクワで刊行された「キュビスムからシュプレマティズムへ」が最初の宣言だが、バウハウス叢書の「非対象の世界」が理念の集大成であると言われている。絵画の再現性を否定し、純粋な感性を絶対のものとする非対象絵画を目指した。シュプレマティズム抽象表現は、矩形・円・十字・三角形などの幾何学的要素から独自に画面を構築するタイプの抽象に分類され、自然の外観の分折や破壊によって形態を単純化し抽象的画面をつくり出す方向や、人間の情動を不定形な形態に込めるといったタイプの抽象画とは区別される。ロシアの前衛的美術のみならず、ヨーロッパの構成主義に与えた影響は大きい。

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