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ひにくなゆうじょう 皮肉な友情
空中に浮かぶのは二人の人物、いや、二匹の化け物かもしれない。手足の長い、奇妙なこれらの生き物は、漂うのでもなく、疾走するのでもない。「皮肉な友情」という題を考えれば、片手を挙げてグッド・バイとでも言っているのだろうか。一見ユーモラスにも見える姿だが、そこには無意識をさぐるマッタの、鋭くさめた感性が現れている。チリのサンティアゴに生まれたマッタは、はじめパリのル・コルビジェのもとで建築を学んだ。しかし、まもなく画家に転向し、1935年からシュルレアリスム運動に参加する。時は折しも第二次世界大戦前夜である。多くのシュルレアリストたちと共に、マッタもアメリカに亡命した。1940年代のマッタの作品は、宇宙のはじまりを思わせるような、空想的で、しかも力強いものである。画面全体に描かれたそれらの作品はポロックらに影響を与え、戦後のアメリカの抽象表現主義に果たした役割も大きい。(友井伸一「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年09月21日掲載)
カテゴリー:作品
クロッキーとは?【 美術用語 】 短時間のうちに、鉛筆、コンテ、木炭などで写生した絵、または素描のこと。速写、あるいはスケッチともいわれる。これは、作品制作の途中で、作家がその着想や閃きを、簡単な材料でひとまず客観化するために、その形態の骨子を描き留めておこうとするときに描かれる。輪郭が重要であることは言うまでもないが、陰影や色彩などを多少伴うことがある。クロッキーは、作品完成のための準備作業の産物ではあるが、作家の創造意欲が最初に形態となって示されるため、生き生きとした創造の営みに、より直接的に触れることのできるものだと言われている。線画と混同されやすいが、線画は輪郭を基調とする絵画を意味するものであり、区別されねばならない。 |
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