データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
こどもとさかな 子供と魚
スペインは、ピカソ、ミロ、ダリなど今世紀の美術の巨人を生み出したが、彼らに続くスペイン美術の代表的作家の一人がこのアントニー・クラーヴェである。13歳からペンキ職人の徒弟として働きながら絵を学んだクラーヴェは、スペイン内戦の後移り住んだパリで同郷の先輩ピカソに出会う。この出会いが彼の画業にとって決定的となり、以後60年代までピカソの影響が強い作品を描いている。この作品は、暗い室内にいる子供と机の上の魚が、淡く白い光でほのかに照らされた美しい作品だが、その青く染まったような色調や、まるい顔の子供が着るアルルカン(軽業師)の服装などから、ピカソの青の時代の作品を思い浮かべることもできる。ピカソの直接的な影響を脱し、今日も現役で現代美術の新しい探究を続けているクラーヴェにとって、これは「原点」とも言える時期の作品なのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年11月01日掲載)
カテゴリー:作品
いまクリックまたは、検索したキーワードの解説
印象派とは?【 美術用語 】 19世紀後半のフランスに起きた最も重要な絵画運動で、その影響は欧米をはじめ日本にまで及ぶ。1874年春にモネ、ピサロ、シスレー、ドガ、ルノワール、セザンヌ等を中心とする画家が官展のサロンに対抗して団体展を開いた際、新聞記者ルロワがモネの「印象−日の出」をもじって彼らを印象派と呼んだ。印象派という名称はこのことに由来し印象主義という用語もそこから派生した。印象主義は写実主義を受継いで特に外光派の戸外制作を重んじ、かつマネに啓発されて明るい色彩を用いて外界の事物を光をあび、空気で包まれた印象として表現した。光の変化に応ずる色調の変化や空気のゆれ動きを効果的に描くために、固有色を否定し、筆触を小さく分割し、色調を原色に還元したことが技法上の特徴とされる。印象主義は必ずしも体系化された理論をともなわず、組織的にはゆるやかな結びつきにとどまったため、1880年代以降各画家の個性の進展と円熟にしたがい、またスーラやゴーガンなど新世代の登場ともあいまって多様化の様相を深めた。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||