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われわれはここにいる 我々はここにいる
現代美術と言うと欧米の画家や彫刻家を思い浮かべることが多いかもしれないが、ラテンアメリカの作家も見逃せない。欧米の影響を受け、「現代」を同じように探究しながら、文化的背景を異にした独自の表現を見せてくれる。キューバ生まれのウィフレド・ラムもその一人である。彼は、スペインで生活した後、パリでシュルレアリスム(超現実主義)の作家たちと交流。この運動の後期を代表する作家となった。シュルレアリスムの幻想性とラテン・アメリカの伝統が混じり合った表現で知られる。人間や動物の変形した形が登場する「我々はここにいる」を見ても、土俗的な魔術や呪(じゅ)術に関心を示し、そのイメージを発想の源にした彼の作風を伺うことができるだろう。茶渇色の背景から浮かび上がる幻想的な「人物」たちは、ラテン・アメリカの精神の深みを示しているようだ。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年12月13日掲載に一部加筆)
カテゴリー:作品
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シュルレアリスムとは?【 美術用語 】 超現実主義。20世紀の芸術思潮のひとつ。1924年にアンドレ・ブルトン(フランスの詩人、1896〜1966)の「シュルレアリスム第一宣言」により「シュルレアリスムとは口頭、記述、その他あらゆる手段で思考の真の過程を表現しようとする純粋な心的オートマティスムである」と定義された運動。美術、詩、文学、政治など広い範囲にわたって、想像力の解放と合理主義への反逆を唱え、人間自体の自由と変革を目指した。初期は、ダダを受け継ぎ、フロイトの心理学の影響を受け、オートマティスムの方法で夢、幻覚などに現われる意識下の非合理な領域に踏み込んだ。この時期を代表する画家にコラージュ、フロッタージュ、デカルコマニーの手法で不安な幻覚を定着したエルンストがいる。1930年頃から、政治への参加をめぐって運動は分裂する。後期の代表的作家には、偏執狂的批判的方法で幻想の即物的な表出を表現したダリがいる。また、第二次大戦中アメリカに亡命したシュルレアリストたちは、抽象表現主義の誕生に影響を与えた。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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