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もにかととうめいなかーてん モニカと透明なカーテン
快適そうな室内でくつろぐ女性。何でもないような日常の1コマを彼は描く。気のきいた省略により、かえって私たちの空想は勝手に広がっていく。さらっと滑らかで明るい線は、実は厚さ5ミリもあるアルミの板をカットしたもの。コンピュータとレーザーの技術を用いた、スティール・ドローイングのシリーズである。どこでも塗られた壁をキャンバス変わりにしてしまう、柔らかくも硬い、宙に浮く線の世界。(「コレクションによる特別展示 人間像のゆくえ」展図録、1995年)
カテゴリー:作品
トム・ウェッセルマンとは?【 作家名 】 1931年アメリカに生まれる。2004年没する。生地オハイオ州のシンシナティ大学で心理学を学ぶ。1952年から3年間兵役につくがその間に風刺画を描きはじめ、退役後、シンシナティ美術アカデミー、ニューヨークのクーパー・ユニオンに学ぶ。1950年代末頃から、コラージュの技法を用いて室内の女性像を制作。1961年、〈グレート・アメリカン・ヌード〉のシリーズを始め、高い評価を受ける。マティスの裸婦を思わせるしどけないヌードを明るく乾いた表現で描くことで、従来の裸体画と現代の日常生活をポップ・アート的に融合したと言われる。以後次第に日常的な事物を画面に貼り付けて行き、63年に始まる〈バスタブ・シリーズ〉では、コラージュによる立体作品となり、日常の世界と作品の世界を一層あいまいなものとした。60年代後半からは再び平面作品に戻り、〈マウス〉〈スモーカー〉などのシリーズを発表。描く形態に合わせた変形キャンバスを用いるのも新しい特徴である。近年は、レーザー光線で切断した鉄板を組み合わせた〈スティール・ドローイング〉に取り組んでいる。(「なぜか気になる人間像 徳島県立近代美術館所蔵名品展」図録(埼玉県立近代美術館)1992年、一部加筆) |
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