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たしょくによるよっつのまりりん 多色による4つのマリリン
今日私たちのまわりには、大量生産された商品が、マスコミの流すイメージと共にあふれ、社会の様子を大きく変えているが、美術の表現にとっても無縁ではない。アメリカのポップアートと、その代表的存在であるウォーホルは、この現代的な状況に反応した独特な作品を生み出した。彼は、大衆消費社会が作り出した漫画や俳優のイメージを作品に取り入れ、それに加工しながら繰り返して表す。マリリン・モンローは、アメリカの映画スターとして余りにも有名だが、彼は写真から得た映像をシルクスクリーンで転写することで、生身の一人の女性としてのマリリンではなく、セックスシンボルとして作られたマリリンのイメージを表し続けたのである。これは1986年に完成した作品だが、彼女は死後もウォーホルに繰り返し描かれることで、1960年代の大衆社会のシンボルとして、そのイメージを永遠のものとしたのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年03月01日掲載)
カテゴリー:作品
モニュメントとは?【 美術用語 】 個人、事件、思想などを顕彰し、記念して、永久に残すことを目的とする作品のことを言う。すなわち記念的造形物一般を指す語で、凱旋門、記念堂、記念像、記念碑、霊廟、陵墓などがあるが、広義には、歴史的・文化的に意義のある建築物、建造物、さらには規模の大きい彫刻、モザイク、ステンド・グラスのような建造物と一体をなすような絵画・工芸装飾の作品類をも指し、ほぼ歴史的建造物・文化財という範囲まで示すこともある。美術作品についてモニュメントという言葉を使うときは、偉大さ、高雅さ、耐久性などのイメージがあり、本質的なことではないにしろ形の大きさも問題となる。また歴史上長く保存されてきたものは、当然保存する価値があると思われたものである。従って、美術批評で美術作品のもつ様式的な意味あいのひとつとして「モニュメンタル」という表現を用いた場合には、元来モニュメントとして作られていないものも、モニュメンタルな様式に含まれることになる。 |
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