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かいこさくひんその2 -ぴんぽん・るーむ,1960- 回顧作品その2−ピンポン・ルーム, 1960−
グリーンは、極めて具象的なイメージを用いて、彼の家族の個人的な歴史を描き続けている、イギリスの画家である。この作品は、1961年の結婚を回顧したもので、妻メアリーを描いた自作、「花嫁」(1961年)に若きグリーンが見惚れている場面である。窓には結婚式の二人が写し出されている。彼の一連の作品は、日常的で大衆的で、時には微笑ましくもある。しかし、細密で明確な描写によって変形したキャンバス上に創り上げられたその作品は、彼の記憶を物語るための、単なる手段にすぎないのだろうか。若き画家の表情は、笑っているのか、怒っているのか、あるいは懐しがっているのか、何ともつかみどころがない。個人的なもので満たされた、一見、平和で親密な世界は、不気味に歪み、まるで魔法の鏡でものぞきこんでいるかのように、見る者の感情を波立たせ、どこか落ち着かなくさせるのである。(友井伸一「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年05月31日掲載)
カテゴリー:作品
写実主義とは?【 美術用語 】 客観的現実を尊重して、それをあるがままに描写しようとする芸術制作の態度や方法を指す。描写する対象を様式化、歪曲化(デフォルマシヨン)、抽象化、理想化することなく、対象の特徴を正確に再現しようとする。しかし客観的現実の本質的な特徴を捉えようとする志向は、外面的な細部描写を排除して理想化が入り込む余地を残しており、実際にはかなり幅の広い表現方法が含まれる。狭義には1840年代に、クールベ、ジャン・フランソワ・ミレー、ドーミエらによって興され、50年代に頂点に達したフランスの美術運動を指す。これは、近代市民社会の成立を背景として表われ、新古典主義やロマン主義のように歴史やアレゴリーを主題とせず、クールベが庶民の生活や労働を描いたように、美醜を問わず真の姿を表現しようとするものであった。その後のリアリズムを名のる主な運動としては、ソビエト連邦など社会主義国で展開した社会主義リアリズムや、1960年代から70年代にかけて欧米に現われたスーパーリアリズムなどがある。 |
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