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おどりこ オドリコ
この親しみやすさは何だろう。何物かの姿を写し取ったとも、そうではないともつかぬ不思議なシルエットも、安山岩の露な肌理も、決して私達の日常的な感情を直接に喚起するものではない。力強い作業の痕跡と、素材の強烈な個性に直面しながらも、私達はいつしか、激しさよりはむしろ軽やかさ、心地よさの感じられる空間に包まれている。イサム・ノグチは60年余りに亙って、彫刻の他、壁面、モニュメント、舞台装置、造園、家具デザイン等、実に幅広い領域で制作してきた。そうして彼は常に、作品とそれを取り巻く環境との関係を探ってきたようにみえる。彼は様々な素材を簡潔な形態に凝縮させはするが、それは個人的な表現の枠に止まるものではなく、作品の置かれた環境そのものとの共鳴が目的であるとさえ言えるものである。私達は彼の作品と共に空間を共有しながら、彼の物質観、ひいては深遠な自然観に、無理なく共感するのである。(竹内利夫「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年12月20日掲載)
カテゴリー:作品
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モニュメントとは?【 美術用語 】 個人、事件、思想などを顕彰し、記念して、永久に残すことを目的とする作品のことを言う。すなわち記念的造形物一般を指す語で、凱旋門、記念堂、記念像、記念碑、霊廟、陵墓などがあるが、広義には、歴史的・文化的に意義のある建築物、建造物、さらには規模の大きい彫刻、モザイク、ステンド・グラスのような建造物と一体をなすような絵画・工芸装飾の作品類をも指し、ほぼ歴史的建造物・文化財という範囲まで示すこともある。美術作品についてモニュメントという言葉を使うときは、偉大さ、高雅さ、耐久性などのイメージがあり、本質的なことではないにしろ形の大きさも問題となる。また歴史上長く保存されてきたものは、当然保存する価値があると思われたものである。従って、美術批評で美術作品のもつ様式的な意味あいのひとつとして「モニュメンタル」という表現を用いた場合には、元来モニュメントとして作られていないものも、モニュメンタルな様式に含まれることになる。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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