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ちゃくいのぽもな 着衣のポモナ
フランス南西部にあるバニュルスで生まれたマイヨールは、ロダン、ブールデルとともに近代彫刻の三大巨匠として知られている。画家を志した青年時代に影響を受けた、ゴーギャンらの新しい美術傾向を生かしながら、20世紀彫刻の出発点をつくった作家でもある。マイヨールの作る女性像は、おおらかに成熟した官能的な女性像であり、この作品も例外ではない。 「ポモナ」とは、春の神、果実と花園の女神である。マイヨールはその幸福な女神のイメージを、たくましく、豊かで優雅に表現している。彼の作品の中でも評価の高い一点である。彼の彫刻の特徴は、この作品に表れているような単純明快な構成と、滑らかな肉付けにあるが、それは彼の愛したギリシャ美術初期の清新な生命感あふれる表現と、近代フランスの新しい感性を統合したものといえるだろう。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年05月31日掲載に一部加筆)
カテゴリー:作品
アクアチントとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内の一つ。まず銅板に粉末状のグラウンド(防蝕剤)を粗くまき熱して付着させ、その上に液状のグラウンドで描画する。これを酸腐蝕させると、描画部は残り、その背景には網目状の防蝕層を通過した酸によって徴細な点が刻まれる。グラウンドを除去し凹部にインキをつめプレス機で紙に刷り上げると、描画部は白く、背景には砂目状の徴妙な黒点が表われる。普通白く残したい部分から順に描画を重ね腐蝕を繰り返すので、描かれなかった部分はその度に腐蝕が進み、それを印刷すれば、砂目状の黒い調子が段階的に深まっていくことになる。アクアチントの語源は「水」であり、水彩画のように微妙な濃淡を表現できるという特徴を示している。17世紀前半にオランダで発明されたとされており、18世紀にフランス人ル・プランスによって確立された。同じ腐蝕凹版であるエッチングと併用されることも多い。 |
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