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ちゃくいのよこたわるははとこ 着衣の横たわる母と子
イギリスのカースルフォードに生まれたヘンリー・ムーアは、20世紀の彫刻家の頂点に立つ一人である。ムーアの彫刻は、半ば抽象化された形態を用いながらも、その表現には、生命の尊厳、自然への回帰、平和への願いがこめられた、極めてヒューマンな要素を含んでいる。「着衣の横たわる母と子」に見られる母子像は、彼が好んだテーマであり、いくつもの忘れがたい作品が残されている。そのなかでも、これは代表的なものの一つといえるだろう。どっしりと横たわる母親の姿は、豊かでたくましい。その腕に抱かれた子供は、小さくかわいい姿で母親に寄り添っている。この母と子の見事な対比によって、母親の母性と温かな愛情、命の尊さが力強く表されている。そして、作品のもつ大きさが、母と子の姿をモニュメンタルなものとし、一層印象深いものとしているように思われる。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年05月17日掲載に一部加筆)
カテゴリー:作品
ネオ・ダダとは?【 美術用語 】 1950年代の末、ニューヨークにおいて、ラウシェンバーグとジャスパー・ジョーンズが、あいついで個展を開いた。当時の美術の世界は、抽象表現主義が全盛をきわめていたが、その中で彼らは、日常の具体的、卑俗的な、すぐそれと知れるようなものを画面に登場させ、大胆な画風を示した。ラウシェンバーグは、絵画に布や写真、印刷物などを加えて、雑多なイメージを画面に集めてくるコンバイン・ペインティングを、ジョーンズは国旗や標的などを画面にクローズアップすることで、反芸術の新しい表現スタイルをうちだした。これらの創作活動を、芸術に対する挑戦的な姿勢とみなし、「ダダの再来」という意味でジャーナリストが名付けたものが「ネオ・ダダ」である。日本も1960年の読売アンデパンダン展に、ネオ・ダダ・オルガナイザーズというグループが出品するなど、影響を受けている。ネオ・ダダは抽象表現主義につづき、後のポップ・アートの出現をまつことになる。 |
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