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おんなのきょうぞう(かいこされた)

女の胸像(回顧された)

作家名:サルバドール・ダリ
制作年:1977年
技 法:ブロンズ、その他
ダリは、ピカソミロと並ぶスペインが生んだ20世紀美術の巨匠として、またシュールレアリスムの代表的作家として、あまりにも有名である。彼は、マドリードの王立美術アカデミー時代に受けたフロイトの精神分析学の影響から出発して、幻想的な世界を極めて写実的に描き出す独特な作品を生み出した。その特質は絵画だけでなく、このような彫刻の分野でも変わることはない。トウモロコシを首飾りのようにつけた美しい女性の胸像の頭には、フランスパンが帽子のように載せられ、その上には、ミレーの「晩鐘」に描かれた祈る農民をかたどったペン立てが置かれている。現実にはあり得ない光景や、古い彫刻のイメージではとらえられない表現に、はじめて見る者はとまどってしまう。しかし、ダリは、そんな私たちの美術に対する平凡な理解や、日常的な常識にとらわれている姿を笑いながら、その問い直しを迫っているのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年10月25日掲載)


カテゴリー:作品
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ドライポイントとは?【 美術用語 】

版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは前者の内の一つ。銅板にニードル等の針状または刀状のもので描画し、その刻まれた凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。「ドライ(乾いた)」とは酸を用いないこと、「ポイント(点)」とは尖端をもつ道具で線刻することを示している。単純な技法ではあるが、自由に線刻するには相当の熟練が必要である。この技法の特徴は、ニードルで押しのけられた版材がささくれ立って刻線に沿ってまくれ上がり、このまくれ(バール)に絡まったインキが、にじんで柔らかな線を表わすこと、また刻線の深浅(バールの高低)によってにじみの表情を調整できることである。その反面プレスする度にバールがつぶされていくので多く刷れない。15世紀後半にはドライポイント版画の最初のものが登場している。既に製版された上からも直接彫り刻めるのでエッチング等と併用されることも少くない。

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