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おんなのきょうぞう(かいこされた) 女の胸像(回顧された)
ダリは、ピカソやミロと並ぶスペインが生んだ20世紀美術の巨匠として、またシュールレアリスムの代表的作家として、あまりにも有名である。彼は、マドリードの王立美術アカデミー時代に受けたフロイトの精神分析学の影響から出発して、幻想的な世界を極めて写実的に描き出す独特な作品を生み出した。その特質は絵画だけでなく、このような彫刻の分野でも変わることはない。トウモロコシを首飾りのようにつけた美しい女性の胸像の頭には、フランスパンが帽子のように載せられ、その上には、ミレーの「晩鐘」に描かれた祈る農民をかたどったペン立てが置かれている。現実にはあり得ない光景や、古い彫刻のイメージではとらえられない表現に、はじめて見る者はとまどってしまう。しかし、ダリは、そんな私たちの美術に対する平凡な理解や、日常的な常識にとらわれている姿を笑いながら、その問い直しを迫っているのである。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年10月25日掲載)
カテゴリー:作品
ルオーとは?【 作家名 】 1871年フランスに生まれる。1958年没する。家具職人の家庭に育ち、最初ステンド・グラス職人の徒弟となり中世ステンド・グラスの修復にあたる。装飾美術学校の夜間コース、次いでエコール・デ・ボザールに学び、ドローネー、モローに師事する。1885年頃ユイスマンなど熱心なカトリック作家たちと出会い、キリスト教的世界への関心を深める。1903年頃から道化師、娼婦、富者と貧者、裁判官などの主題を青を基調とした荒々しい筆致で描くが、第一次世界大戦後はおだやかな作風に変り、やがて深みのある色彩と豊かなマティエールでキリストを描くようになる。晩年はさらに黄や緑などを基調としたバロック的な重厚さを備えた作風に変り、必ずしも伝統的な宗教画ではないが、長い探求の果てにたどりついた高度な宗教性を見せる。1914年以降画商ヴォラールと契約し、一時版画制作に専念する。 |
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